飯盒炊飯の炊き方(保存版)

飯盒炊飯の炊き方(保存版)

ポイントは「時間」「火力」「音」

 バーベキューやキャンプの時に「白米」や「焼きおにぎり」「カレー」を作ることもあるのではないでしょうか。レトルトのご飯や、自宅で炊いたご飯を持ってい行くのも悪くないですが、せっかくなら飯盒炊飯でふっくらご飯を炊いてみませんか。炊きたてのお米はふっくら美味しく、喜んでいただけること間違いなしです。
 今回は、私が実践している飯盒炊飯の炊き方をご紹介します。「飯盒炊飯は難しい」と感じている方も多いと思いますが、そんなことはありません。この記事でご紹介する炊き方で、今のところ大きな失敗をすることなく、美味しいお米を炊くことができています。ポイントは、「時間」「火力」「音」の3つです。これを意識するだけで、美味しいごはんが炊き上がります。

お米を量る

 当たり前のことですが、飯盒炊飯を始めるには、まず何合炊くのかを決めて、お米を量りましょう。一般的な飯盒は4合まで炊くことが可能です。出発前に自宅で量ってから必要な量だけ持っていくことをおすすめしますが、現地で量る場合には飯盒についている「中ぶた」「外ぶた」でも図ることができます。中ぶたはすりきり一杯で2合、外ぶたはすりきり一杯で3合です。キャンプに参加している人数にもよりますが、持ち帰りが可能なことや、翌朝も食べることができるので、私は2合炊くことが多いです。

水につける

 必要な量のお米を飯盒に入れたら、お米を研いでから(無洗米の場合は不要)水につけましょう。飯盒炊飯は「炊き方」も大事ですが、事前の準備もおなじくらい重要です。水の量ですが、便利なことに飯盒の内側に目盛りがありますのでそれを活用します。2つ目盛りがあって、下の目盛りは2合炊き用、上の目盛りが4合炊き用の水を入れる目安の目盛りとなっています。1合、3合を炊くときは、それぞれの目盛りの半分の高さまで水をいれてください。慣れてきたら、柔らかめや固めなどの好みによっても調整してみてください。
 お米を水につけたら、必ずしばらくそのままの状態で置いておきましょう。ここで一つ目のポイント「時間」です。最低でも30分、気温の低い冬場であれば1時間近くつけておきたいところです。私の経験上、ここで時間をとらないと、お米が固くなってしまったり、炊き上がりに「むら」ができて美味しくできません。私の場合は、お米を食べたくなるであろう、1時間~1時間半程前から逆算して準備を始めます。

まずは弱~中火で

 いよいよ、ここからが実際の飯盒炊飯の炊き方です。もちろんポイントは二つ目の「火力」です。今回は、薪による焚火かガスバーナーを利用する場合を想定しています。私は火にかけるときは、中ぶたは入れずに炊きます。
 今回ご紹介する火加減・火力(弱火、中火、強火)は以下のとおりとします。あまり神経質になりすぎる必要はありません。

弱火 : 飯盒の底にぎりぎり火がつくかつかないか
中火 : 飯盒の底にぎりぎり火がついている
強火 : 飯盒の底から、側面にかけて火がついている

 飯盒を焚火台やガスバーナーにセットして、火力を弱火~中火(火がぎりぎり飯盒の底についたり離れたりするくらい)に調整してください。飯盒は必ず水平になるようにセットし、ふたがしっかりと閉まっているか確認してください。

沸騰したら火力アップ

飯盒炊飯
薪を追加して、火力アップ

 弱中火で加熱してくると、沸騰してきます。合図は、飯盒から水が吹きこぼれきたときです。時間にすると、10分かからないくらいですが、あまり気にする必要はありません。また、吹きこぼれても、多少は問題ないので、気にしないでください。沸騰を確認できたら、石などの適度に重いものを蓋の上に置いて、蓋を抑えてください。吹きこぼれがおさまります。
※事前にちょうどいい大きさ、重さの石やおもりになるものを準備しておいてください。
 蓋の上におもりを置いたら、火力を上げます。焚火の場合は薪を投入し、ガスの場合はガスの供給量を上げてください。中火から強火になるように火力を上げてください。

耳を澄まして「音」を聞く

 ここで、三つ目のポイントの「音」です。沸騰し始めて、火力をアップして、しばらくすると吹きこぼれが完全におさまります。そして少しすると「バチバチ」「パチパチ」という小さな音が聞こえてきます。聞き逃してそのままにしておくと、焦げてしまいますので、聞き逃さないようにしてください。薪を燃やしている方は、薪が燃える音と間違えないようにしてください。大音量で音楽を流しているときや、みんなでわいわい話をしているときは、聞き逃しやすくなるので、注意してください。時間はだいたい10分から15分程度でしょうか。時間や火力だけを気にしすぎず、音を聞くようにしてください。音が聞こえた方は次のステップへ。

豪快にひっくり返して蒸らす

 バチバチと音が聞こえてきたら、軍手をして飯盒を持ち、安全で平らな場所に「ヤー!」という掛け声と共に、飯盒を逆さまに(蓋が下になりように)置きます。
 ここでのポイントも「時間」です。そのまま15分ほど蒸らして完成です。焦らずに必ず時間をとって、しっかりと蒸らしてください。15分後に蓋を開けるときのワクワクとうまくできていた時の喜びは快感です。ちなみに、ひっくり返さない方も多くいらっしゃいますが、うまく蒸れるような気がするので、私は必ずひっくり返すようにしています。

飯盒炊飯
15分蒸らして完成

 今回は飯盒炊飯の炊き方をご紹介しました。「時間」「火力」「音」の3つのポイントを意識して、バーベキューやキャンプをするときにはぜひお試しください。また、人によって時間や火力等、色々な炊き方によって炊き上がりが変わってきますので、ご自身でアレンジして、オリジナルの炊き方を探してみてはいかがでしょうか。